書評

書評/私に帰る旅(岡部明美)。ありのままの自分を好きになろう。

みなさんは自分が生きる意味について考えたことはあるだろうか?
自分がどんな人間か、正しく認識しているだろうか?
他人のためではなく、自分のための人生を生きることができているだろうか?

この本の著者は実際に臨死体験を経験したことで、人生における価値観が大きく変わり、自身が生きる意味を見出している。
この本には著者の臨死体験を含む壮絶な人生と、変わっていく価値観が非常に鮮明に描かれている。

人は誰でも自分は何のために生きてるんだろう、と考え込んだ経験があると思う。
そして将来になんとなく不安を覚えたり、ぱっとしない現状に嫌気がさすこともあるのではないだろうか。
そんな方もこの本を読めば、自分は今のままでいいんだ。存在するだけでいいんだ。と安心することが出来る。
そして自分自身のありのままを全て好きになってあげようと思えるようになる。

著者曰く、人は生きているだけで価値があるという。
人間の命が誕生するということ、それ自体が奇跡であるという。
九死に一生を得た著者のこの発言には相当な説得力を感じた。

人間は存在するだけで価値がある。
しかし多くの人は自分の短所に目を向け、人と比べ、ありもしない理想像を頭に描き、「このままではダメだ。」と本来の自分自身に蓋をしていないだろうか。
人間には陰と陽の両方の性質が存在するという。
陰の性質が強い人もいれば、陽の性質が強い人もいる。
しかし今の世の中では一般的に陽の人間にスポットライトが当たりやすい傾向がある。
本来、陰の性質を持つ人が世間の価値観に習い、陽の人間を見習ってしまってはその人にとってとても大きなストレスとなるだろう。
何度も言うが人は存在するだけで価値がある。
陰の人はそのまま自分らしくいればいいのだ。
決して無理に陽の人を真似する必要はない。

著者は陰と陽の関係を太陽と月に喩えている。
僕はこの喩えがとても好きだ。
月は太陽があって初めて輝く。
けれども闇夜の中では昼間の太陽にはない神秘的な魅力を放つことができる。
人はみな陰と陽の性質を合わせて持っており、それぞれの強さに合わせて輝き方を変えれば良いのだ。
皆が皆、昼間に強い日差しを放つ必要はないのだ。

僕は色々な自己分析(ストレングスファインダーやMBTI)を通じて自分は超内向的な人間だということを自覚している。
人と話すよりも自分ひとりで考え込むことが好きだし、大人数の場よりも少人数の場のほうが好きだ。
これまでの社会人生活において、内向的な自分を変えようと努力してきた。
それが社会人として必要な変化であり、必要な努力だと真剣に思ってた。
でもそれは内向的な自分、本当の自分を抑圧し、仮面を被った偽物の自分を作り上げる作業だったことに本書を通じて気づかされた。
これはストレスが溜まるはずだ…
若さでなんとかなっていた20代とは違って、30代になった今、自分を偽り続けるのが心身ともに苦しいと感じていた日々。
この本に出会えてありのままの自分を好きになろうと思えた。

大人数とワイワイ盛り上がるのが苦手でも、少人数と膝を突き合わせて深い話をすることは好きだ。
これは内向的な自分だからこそできるコミュニケーションではないだろうか。
自分の陰も陽もどちらも好きになる。
世界中で自分ひとりだけは自分自身のことをまるごと好きでいてあげる。
自分だからこそできる生き方を模索してみよう。

  • この記事を書いた人

宗太

1987年生まれ。 地方在住デザイナー。 妻と息子の3人家族。 大学時代に教授から「いいモノを使いなさい」と言われてから物欲に取り憑かれる。 とにかく”モノ”が大好き。 物欲と少ないお小遣いの間で日々葛藤中。 悩み抜いて購入した商品を紹介していきます。

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